西欧における貨幣

世界最古の通貨記録

日本の通貨システムが構築されてからはまさしく波乱の連続だったということが知れたことだろう。挙句は貨幣がないから自分たちで作ってしまえと言えるような混沌とした状況だった。そう考えると明治政府は時間こそ掛かったものの、全国共通とした貨幣制度を設立できた事はある意味では評価し得る点なのかもしれない。人によっては更に混乱させただけではないのではと思わせるような状況だったのではと思いたくなるところではあるが、結果的には解決するまでに至ったという点で問題ないと総体的に判断することが出来ると言えるのではないだろうか。

さて、そんな日本の話はこれまでにして、かつては世界の覇権こそ握っていた国々の話をしていこうと思う。人間としての記録を語る上で、必ずその全ての原点となっていた西欧諸国、そのかつての国々が作り上げた世界では貨幣というシステムはとても古い歴史を史実に刻み込んでいる。それこそ有史始まって依頼においては最古と称することも構わないほどの歴史を持っている国々の話をしていこう。

西洋における通貨の記録は紀元前670年まで遡ることが出来る。当時のトルコにおいて建国されていたリディア王国の折、円型の金属片に刻印を打ったコインが開発されるという、コインそのものの発明史がとても古いことを理解できる。そしてこのコインこそ西欧において最初期の金貨が製造された歴史の幕開けとなるのだった。その後コインは各地域へとその価値と意味を波及させていくこととなり、それぞれの国で貨幣というものが誕生して行くことになる。西欧の貨幣史だけでも語るに語りつくせないほど、各国独特の貨幣が多く鋳造されることになる。

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各国で製造された貨幣

古代期の西欧の状況を考えただけでも、各地に様々な国々が乱立していた事は世界史などの文献を読んでいれば分かるだろう。それぞれの国が独自の文化を形成していると共に、貨幣においても独自通貨が作り出されるなどしていた。それではどんな国で、どんな通貨が造られていたのか、また歴史の舞台に上げられた古代の貨幣たちが歴史の変遷と共にどのように進化して行くこととなるのか、紹介していこう。

古代ギリシアの場合

古代のギリシアにおいての貨幣の記録は紀元前600年初期まで遡って話をする、当時の主要国家であったポリスではそれぞれの地域に特筆したコインが製造されていた。その中でもギリシャという集合体においては銀貨が主流の通貨として使用され、製造方法としては銀の塊を鉄の鋳型において、それをハンマーで叩いて作ったものだった。ただこの時用いられていたハンマーには別の鋳型が存在しており、表と裏の絵を同時に刻むことが出来るようになっていた。これは各地に存在していた都市国家によって種類が異なっており、アテネの銀貨の表面にはミネルヴァの横向きの画像を、といったように地域事によって様々な絵柄が掘り込まれていた。

また、この当時のコインはそれぞれ重さによって呼び名が変わっており、基本は『オボル』、その6倍を『ドラクマ』、ドラクマよりも2倍ほどの重量となる『ディドラクマ』、ディドラクマの4倍を『テトラドラクマ』、そしてテトラドラクマの10倍の重さのコインを『デカドラクマ』と呼ばれていた。その後これらの通貨は闘争絶えない西欧の中で、古代ギリシアは古代マケドニア帝国において敗北を喫すこととなり、それによってギリシアコインは衰退の一途を辿ることになる。

アケメネス朝ペルシアの貨幣

古代ペルシアにおける貨幣の記録を見て行くと、それこそ古代ギリシアよりも古い歴史があったりする。時の王であるアケメネス朝ペルシアの第3代ダレイオス1世の治世によって作られた『ダレイオス金貨』によって貨幣を統一すると共に、税制を整備するなどの体制が整えられていった。この当時の金貨にはダレイオス王が王冠を被り、顎鬚を生やし、弓と槍を持って走っている構図が描かれている。

貨幣についてもっとくわしく

アレクサンドロス帝国の貨幣

こうした記録を辿ってみると、それぞれの国によって貨幣は独自のバランスとなるものが製造されており、それこそデザインのみならず大きさや重さも不統一なデザインであったことが良く理解できるところだろう。そんな中でアレクサンドロス大王が率いる古代マケドニア帝国においてはギリシアからインドまでという超広大な王国を建造するなどした経緯から各地から金や銀といった鉱物を大量に集めて、貨幣を製造していた。また、帝国内ともあって大きさや価値、そして金貨と銀貨の交換比なども全て統一化されているなど、歴史としてみた場合でも、アレクサンドロス大王という存在が非常に類稀な統治力を持っていたことを意味していると共に、貨幣が共通しているなど明確な共通事項を樹立しているなど目覚しい部分もある。日本と比べた場合には国土という広さは圧倒的に異なっている事を考えれば、それだけ時の王の権力は絶大なものだったということだ。

ちなみに、この国のコインの絵柄には大王本人をモチーフとしたライオンの頭皮を被ったヘラクレスが表面に描かれており、裏面にはゼウスが右手に鷲を、左手に杖を持ち、さらに右横には『Alexandrou』という文字が掘り込まれている。

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