専門サイトが存在している

それなりに運営していたが

では実際に、この日本で物々交換をしている人というのはどの程度需要があるのかについてだが、やはり物々交換ということでそこまで過熱した人気を誇っているわけではないようだ。日本でも確かに物々交換を行うことが出来る専門サイトというものがある、その中でも代表的なのが『物々交換サイトWaWaWa[わわわ] - 目指せわらしべ長者!』というものだ。タイトルにわらしべ長者という言葉を用いている時点で、初見で見た人でもココがどんなサイトなのかというのを即座に理解できるだろう。このサイトでもそれぞれネット上の取引に応じるために個人で先ず交換に応じてもいい商品を出品し、それに対して相手の商品と自分が受け持っている商品で納得できるようであれば取引成立となる。この時もちろん消費税はかかる事は無く、単純に商品を相手方に送付する際に支払うことになる数百円程度の送料が発生するだけだ。それを考えたら実際に購入しようと考えていたこととの値段を比べてみれば、どちらが得をすることになるかは一目瞭然だ。

こちらのサイト以外にも、かつてはその他にもそれなりの数の物々交換サイトが開かれていたが、確認したところ主要となっていたサイト全てが閉鎖しているという結果になっていた。どうしてサイトが閉鎖されていた原因などはいくつか考えられるが、やはり物々交換というものがあまり馴染みのない取引だったからというのは、一番大きいのではないだろうか。また物々交換も必ず成立するわけではない、それこそわらしべ長者の物語のような展開が起きる事は先ずありえないと見ていい。その僅かな希望に掛けてみるのも有りかもしれないが、中には悪戯という迷惑行為をする人も少なからず存在していることを考えると、物々交換というのは今の日本では取引としてはあまり通用するモノでもないと見るしかない。s

物々交換してみる?

どうして流行り始めたのか

ではどうして日本でもこうした物々交換サイトが登場するようになったのかという理由を探ってみると、海外はカナダにおいて現代のわらしべ長者ストーリーが巻き起こっていたという事実を確認することが出来たという。2007年、当時26歳のとある男性が目標を家の入手という一点に捧げ、なんと赤いクリップから地道に物々交換を行っていくという、まさに昔話に出てくるような展開を踏んだ人が本当にいたのだ。その男性の軌跡を見て行くと最終的に本当に家を手に入れてしまうといサクセスストーリーへと変換されるのだ。実際の交換履歴としては、このようになっている。

赤いクリップから家を入手するまでの物々交換記録

赤いクリップ→ペン→ドアノブ→バーベキュー用のコンロ→小型発電機→バドワイザーのネオン広告→スノーモービル→旅行券→トラック→レコーディング契約権→アパートの賃貸契約→有名ロッカーのライブ登場券→ロックバンド『KISS』の置物→映画出場権→家

計14回の取引の結果、男性はなんと奇跡的に家を入手することが出来たという。途中の取引した物がとてつもない破格なモノではないだろうかと、それこそどうして交換しようと思ったのかという原理に疑問さえ感じてしまう。特に最後の映画出場権と家を物々交換の材料として出した人も、何を思って等価と判断したのだろうか。もしかしたらこの時には取引をしている人が有名になっていたこと、たまたま持っていた家が要らなくなったなどの都合があり、映画出場権と比べてもそん色ないと判断した、そんなところだろう。

こうした事実は一気に海外メディアで取り上げられると、話題は日本にも伝播する。まさしく現代のわらしべ長者を目撃することになったということで、当時話題を集めたことだろう。だからこそ、ちょっとした物がコツコツと交換を重ねていくことによって、最終的に思いもよらないものへと化けるかもしれないという可能性を提示したことで、一気に物々交換はブームとして取られるようになった。

良くも悪くメディアが面白がって騒ぎ出したことによって物々交換が今流行っていますという潮流が生み出されるようになった。家の交換という経路も男性が住んでいる自治体のプロモーションの一環ということもあったが、結果的に物々交換ブームなるちょっと良く分からない物が流行り出してしまったという面白おかしなブームメントが巻き起こった。

貨幣についてもっとくわしく

オンライン物々交換の課題点として

物々交換といってもそれが対面式で行われるような時代でもない、現代だからこそのツールであるインターネットを駆使して行われている。当然ながらネットならではの問題点と絡んで、オンライン物々交換の問題点は数多く存在しているが、具体的にどのような点が特に気をつけるべきなのか、考察していこう。

ユーザ間の信頼

何といっても、信頼関係がなければこうした取引は先ず成立することはない。オークションにしてもだが、個人間での取引はこうした信頼をすることが出来る相手かどうかで、その取引を順風満帆に進めることが出来るかがみそとなる。この点を欠いたまま取引が行なわれるほど、人は単純な生き物ではない。只でさえ嫌がらせ目当てで嵐をする、日々のストレスを発散するような事をしている人もいる事を考えれば、これは何を差し置いても重要な問題だ。

交換成立までの効率があまりよろしいとは言えない

オークションでは欲しいアイテムがあればお金で競り合うことで勝ち取ることが出来る、しかし物々交換ともなると自身がこれと交換しても問題ないといえる代物が出品されていなければ埒が明かない。こちらの商品を欲しいといってくる人の中には、明らかに物々交換の代物として出されたものよりも価値が低いものを提示している時もある。そんな時一番面倒なのが、贋物を出品しているという危険性があるという、そんな怖い一面もある。手許に来て見れば正規品ではなかったとなれば、それだけで大問題だ。この交換時における様々なトラブルの中で最も大きく、そして物々交換というものが普及しない点が、物と物との価値が釣り合わないという事だ。

商品価値が合わなかったからこそ、人気は出なかった

物々交換サイトは約7年前にはそれなりにあったが、その大半が閉鎖しているという状況を見ると、その矛盾点に気付いたユーザー、そして実際に被害にあった人が多発したなどの問題が出たことで、物々交換をしてわらしべ長者になろうなどと言うのが、作為的でもなければ為し得ることはできないものだということにようやく気付いたということだ。結果、まやかしの人気は崩れ去ることとなり、満を辞してこれから流行るだろうと、主流になると何を思った企業も事業を撤退するなどして一気に物々交換サイトなるものは衰退の一途を辿ることになった。

そして日本でも現在運営している主なサイトはほんのごく僅かなものばかりという現状を見れば分かるとおり、物々交換をしたいと思っても自分が欲しいと感じている商品が出品しており、そして交換する代物がキチンと割に合っているかどうか、妥当性を見出せる人は多くなかったようだ。時代を超えてこれから流行るだろうと誰も期待していない物々交換というものが、あっという間に世間の片隅に追いやられるようになるまで、それほど時間を要することは無かった。今でも時折物々交換は素晴らしいと述べている人もいるが、何をどう思って素晴らしいと判断するかは個人の判断に委ねられる。そのことを意識しながら、改めて物々交換というものを見定めてもらいたいところだ。

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